慢性疲労症候群を境に、キースジャレットは変わってしまった、というのが大方の見方のようだし、僕もそうだと思う。若い頃のようなエネルギーはもう再現できないのだろうなとも思う。


でも、当たり前のことだけれど、今の年齢になったからこそ発揮されている魅力も十分にある。


人には、その年齢でしかできないことがあるんだと思う。
今のキースジャレットが「フェイシング・ユー」や「ケルン」や「サンベア」を再現できないように、
30台のキースジャレットには「Melofy Ay Night, With You」の音は出せなかったはずだ。


プロフェッショナルというは、その時の自分に一番合ったパフォーマンスを見極めて、かつ実行・実現できる人のことを指すのだろう。


というわけで、いま、20台後半の自分に一番合ったことにエネルギーを注いでいるはずなんだと
自分に言い聞かせた寒い日の夕暮れなのであった。