G. Ryleの「The Concept of Mind」を読んでいる。哲学者って、すごいなと思う。
哲学を軽視している人間にはいかなる研究もできないと思う。いわゆる「哲学」は知らなくても、意味のある研究をするためには知らず知らず哲学しているはずだ。「哲学なんてやっているやつは馬鹿か?わけわからんことばっかりひたすら考えて一体何の役に立つ?」と嘲笑するような人たちも、その時点で自身の立派な哲学(「哲学は何の役にも立たない」という哲学)を語っているのだ。哲学は、あらゆるものをすっかり包み込む。どんな形の信条・思想であっても、その一枚上には哲学がある。
徹底した哲学者は、常に最大限ゆっくりと歩む。歩みが遅い人の方が勝つ競走をしているようなものだからだ。兎に角早い段階での目に見える成果・効用が求められる現代にそぐうはずがない。そろそろ歩むスピードを緩めて、哲学が追いついてくるのを待ってもいいのではないか。というか、必然的にそうならざるを得ないと思う。
(注:養老孟司氏とL.Wittgensteinの受け売りの箇所がかなりあります)