茂木健一郎氏、誰とでも対談するなぁ・・・凄い。

アマゾンっぽく評価すると、星4つ。一つ減らした理由は、タイトルの割に、いくらなんでも西洋のクラシック音楽にばかり焦点を当てすぎているから(江村氏がクラシック畑の人だから仕方ないのだろうけれど)。「たとえばヒップホップとかエレクトロニカとかは音楽じゃないのかしらん?これらの音楽を聴くときもクオリアってあるよね・・・?」という思いが終始抜けなかった。(対談だから、二人が好きなものを好きなように語ってるだけなんだ、と言われればそれまでですが)

第4章にあった、「子供向け」のクラシックばかりではなくてもっと「本物」を聴かせないと、という議論について。確かに子どもが聴く音楽の幅もその機会も広げてやるのは大切だと思うけれど、それは本人が何が「本物」と感じるかを見極めるだけの材料を与えるために重要なことであって、人によっては「平均律」や名作オペラなどを全部鑑賞した上で、なお「エリーゼのために」を「本物」と感じる場合だってあって良いはず。もっと言えば、クラシック全般をまったく好きになれない人だっていていいはずなのだ(それも「本物」を一通り聴いた上で)。ところがこの箇所を読む限り、そういう可能性はあるはずがない、という前提があるみたいに聞こえる。彼ら二人が「本物」と思うものを皆が一様に「本物」と感じるべきである、と押し付けているようにも聞こえないこともない。

しかし、その辺の違和感はともかくとして、かの「4分33秒」についての認識を新たにすることができたのは収穫だった。個人的には江村氏の言葉に凄く共感した。