Doetjes, Jenny (2007) "Adverbs and Quantifications: Degree Versus Frequency," Lingua 117, 685-720.

久々に、読んでいてエキサイトできる論文だった。細部にやや雑音もありながら、構成が素晴らしかったように思った。データ観察と説明のバランスも良い。これぞ言語学であり、意味論である、という手触りがあった。

「量化」という言葉に抵抗がある人もいそうだが、この研究で捉えているのは多分に認知的な側面である。意味の重要な側面が捨象されているという印象は全く無い。その限りにおいて、私には何の不満もなかった。

実は今日のゼミで扱われた論文。今期は出席しない予定だったが、あまりに面白い論文なので臨時で出席したほどである。

そのとき気づいたけれど言いそびれていた(細かい)ツッコミが二つ。

・先生が、著者を「彼」と言っていた。(「Jenny」って、Janeの愛称じゃ・・・?)

・レビューアーが、quantifying over timesを「時間への量化」と言っていた。(「回数」では・・・?)