なぜだか

最近、ふと思い立って


ねじまき鳥クロニクル」(村上春樹


を気分転換に読み返している。ずいぶん前に読んだきりだったが、これがなかなか面白い。


基本的に、現実と非現実の間を往来する、というか両者が完全にcomtaminateしてしまっているという例のパターン。

正直な感想を言えば、Paul Austerの「Oracle Night」ととてもよく似ている。発表した年代を考えると、「ねじまき〜」がAusterに影響を与えた可能性は十分にあると思う。

何にせよ、この手の「妄想系」小説(というか僕は村上とAusterしか知らないがw)は、心理的インパクトが大きい。無機質な現実と生々しい非現実、という逆説的な対立構図に(これまた逆説的な)心地よささえ覚えるときがある。

安易な解釈を許さないところもいい。
「ねじまき〜」には悠に70通りぐらいの読み方がありそうだ(笑)