坂本龍一「/05」を久しぶりに。やっぱりこれでしょ。
「Shining Boy & Little Randy」は、何度聴いても心が洗われる。
昔の作品が好きな「硬派」なファンはこういう柔らかい音楽を「分かりやすい方に流れている」とあまり良いように思わないみたいだけれど、個人的にそういうスタンスには共感できない。
坂本龍一といえばこうでないと」みたいなことはファンが決めることではなく、本人が決めることだと思う(特に芸術の場合はそうだ)
そうやって芸術家の変化を嫌うというのは、作品ではなくその芸術家を崇拝してしまったことの裏返しなのだとも思う。だから作風が自分の好まない方向に変わっていったとき、「信じていたのに、裏切られた」という風に思ってしまう。本当はそんなことは思わずに、ただ「作品に魅力を感じなくなった」と判断して聴くのをやめればいいだけの話なのだ。

結局のところ、芸術品の作者に関しては、その作品を手がけた人物、という以上の意味は持たせないに越したことはないと思う。それ以上の意味を持たせると、宗教化する。
いやもちろん、宗教的な芸術鑑賞を望む場合はそれでいいだろうし(というかそうでないといけないのか・・・)、そもそも「宗教」と「芸術の嗜好」が完全に別の概念であるという前提自体もまったく保証されているわけではない。

まあいずれにせよmusicienは、作品至上主義なのであります。
坂本龍一の「音楽」を好きなだけであって、坂本龍一という人物そのものには未練はない(つもり)です・・・笑