今年度の木曜日の大学院講義は、Talmy(2000)の講読(O助教授)
随分前から手に入れていて、「読まないとなぁ・・・」と思っていた本なので、大変ありがたい。
というわけで、この程、ついに本腰を入れて読み始めた。
アマゾンのレビューなどでは「最強の認知意味論」だの「火星人が見た人間言語の研究」だの、絶賛雨あられ状態だったが、正直、半信半疑だった。


しかし、実際に読んでみると、否応なしに納得させられた。

最初の一文から、読み手を別世界に連れ去ってしまうような吸引力と説得力。
信じがたいほど鋭く緻密な観察。
そして「火星人」という比喩にも頷きたくなるほどの、とても同じ人間の視点からものとは思えない発想と分析。

一研究者として、自分にしかできない(しかも意義のある)仕事をしたいというのは誰しも抱く理想だが、Talmyはまさにそれを見事にやってのけているように感じる。Talmyでなくとも、いつかは誰かが同じ仕事をしたとは到底思えない。

(久しぶりに、他人の研究で留保抜きに感動した・・・)