・朝、駅まで自転車を走らせていると、肌寒かった。季節は移り変わった。

・20代がもうすぐ終わる。あっという間だったような、なかなかしっかり長かったような。
一つ確実に言えることは、自分の人生がきちんとした形で回り出したのは20代の後半からだったということ。それまでは本当に、ただボーっと漫然と生きていただけだった(本当にひどい生き方であった)。あのままではまずかっただろう。ロクでもない30歳になっていたに違いない(今よりも更にロクでもない、という意味である。今でもなかなかにロクでもない人間ではある)。25歳になる頃、その後の自分にとってかけがえなのない出会いがあった。27歳になる頃、自分の研究スタンスを決定づける運命的な出会いがあった。28歳になる年、留学というものを経験した。29歳になる年、博士論文というものを書きあげた。30歳になりつつある今、僕は九州で学生に英語を学ぶ楽しさと厳しさを教えつつ、こまごまとした研究をしている。