Radiance

Radiance


初めてキースジャレットのピアノを聴いたのがこの作品でした。


久々に聴いたけれど、たまりません。


Disc1の3曲目と8曲目、Disc2の4曲目と7曲目は素晴らしく綺麗な音楽です。
溜息が出ます。
何もかもがいっぺんに癒えてゆきます。


しかしその反面、他の曲にはあまり共感できません。なぜなら、現代音楽風だから。


僕は現代音楽と冠されている楽曲が(「1919」などのわずかな例外を除いて)まだよくわかりません。敢えて「悪い」とは言いたくないのだけれど、厳然たる事実として、「聴きたい」という気持ちが湧いてこないのです。


それは、たとえその曲が世界の武満徹の名作であろうと、稀代のピアニストであるキースジャレットの十指から奏でられたものであろうと、変わりません。(4年ほど前に手に入れたゼルキンの武満のピアノ作品集は、まだ2回ぐらいしか聴いていない)


突詰めると、聴きたくなるかならないか、もう一度聴きたいと思えるか否か、


音楽の本質はそこなんじゃないかと思います。(当たり前すぎるのだが・・・)


そして、この「Radiance」は、そんな「現代音楽」と、何千回でも聴き続けていたいような、奇跡のような美しい音楽が文字通り混在(いやあるいは「共存」)している。


キースジャレットという音楽家の底知れなさ(ただし、その全てではない)を垣間見るのにはとてもよい作品だと思います。