絵画と音楽の関わりについてなんてこれまでろくに考えたこともなかったが、音楽によっては、絵を見ながら鑑賞するのに適したものもあるのかもしれない。キースジャレットの即興など、極度に現場性の強い音楽は特にそうなのかもしれない。

高校時代、絵で芸大を目指す友人が「音楽はその場で消える。でも絵はずっと残る。だから俺は絵の方が好き」と言っていた。当時は、そんなもんか、と思って聞き流していたが、今なら彼に反発するかもしれない(もちろん彼自身の考え方も大幅に変わっているだろうけれど)。音楽にしろ絵にしろ、鑑賞しているまさにその瞬間の中に本質がある点では何も変わらない、と思う。
絵は不変だろうか?否、年月とともに磨り減るではないか。観る者が変わるではないか。見る状況によって価値が変わるではないか。そして、だからこそ良いのではないか。残したくなるのではないか。

    • -

「Facing You」「The Koeln Concert」「Staircase」
キース三昧の一日。