僕は元々、映画などを観て涙を流すほうではなかったのだけれど、
近年は少し歳をとったのか、涙を流すことが多くなってきた。


・記憶に新しいのは『ロード・オブ・ザ・リング王の帰還』の、ラストに近い戴冠式のシーンの中の、あのシーン(←観たことある人ならわかるはず)。ちょっと目頭が熱くなるどころではなく、しゃくりあげる一歩手前ぐらいの泣き方をしてしまった。(驚くべきは、もう一度見返したときに、同じシーンでやはり泣いたことである)

・『シャイン』の、ラスト。ヘルフゴットのリサイタルの最後。今思い出しても泣ける。

・映画じゃないけれど、68年ぐらいにカーネギーホールであったホロヴィッツの伝説的コンサートの中でスクリャービンエチュード作品8−12を弾いている様子をNHKの特集番組で見たとき。3分たらずの演奏ながら、その圧倒的な、ほとばしるエネルギーに圧倒され、涙が出た。同曲の演奏に関しては、人類史上最高の演奏であると断言できる。以来、ホロヴィッツは最も尊敬するピアニストの一人であり続けている。