ピアノという楽器に無限の美の可能性を感じるようになって
早10年近くになる。
今回、またしてもその事実を再認識する決定的な出来事があった。


今回もまた、キース・ジャレットである。


紙のジャケットがカッコイイと思った勢いで買った「ソロ・コンサート」
Disc1の2番目のトラックの27分ぐらいからの約10分間、
時の流れが止まり、自分が何処にいるかを忘れ、
CDを聴いているという認識そのもの消えた。

それは、感動」とか「衝撃」とか、そんな言葉では語れない体験だった。
「瞑想」という言葉で少しは言い当てられるかもしれない。


キースジャレットの即興演奏を「神が舞い降りる」
という風に表現しているのを読んだことがあるけれど、
その意味が本格的に実感できた。


多くの人は「ケルン・コンサート」が一番と思っているかもしれないが、
個人的に、ピアノの即興演奏という芸術が
最も完璧な形で極められ純化されたのは、
この10分間ではないかと感じた。


…って、まだまだ彼の演奏の一部しか聴いたことがないけれど、
この10分間を凌ぐものはない予感がする。
(と、言いつつ、更にこれを越えるものに出会えることをどこかで期待してたりもするのですが)


メモ:これまで聴いたKeith Jarret(入手した順)

「Radiance」
「DEATH AND THE FLOWER」
「THE KOELN CONCERT」
「STAIRCASE」
「The Melody At Night, With You」
「SOLO CONCERTS」